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外来だより 2021年 10月号

秋季さわやかなよい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしですか。夏の疲れは取れましたか。今月は脳の疲れについて考えてみたいと思います。

朝すっきりと目覚められない。通勤の足取りが重くなる。集中力が続かずミスをしがち。こうした不調があると肉体的な疲労がたまっていると考えがちですが、実は、脳の疲れがたまっていて体がサインを出している可能性が高いのです。脳が非常に燃費が悪い臓器だというのをご存じでしょうか。成人の脳の重さは1.4キログラムで、体重の約2%相当と言われています。ところが脳が1日に消費するエネルギーは体全体の約20%も占めています。現代人の生活は、過剰なストレス、情報の洪水、マルチタスク(複数の作業を同時進行すること)を強いられる仕事など、脳にとって負担になるものばかり。日本人は特に「多少の疲れなんて気合で何とかなる」と考えがちです。しかし、脳の疲れをとるのは気合ではありません。さらに、新型コロナウイルスにより、社会全体、先の見えない不安が広がっています。連日のネガティブなニュースにより感情が揺さぶられ、ストレスで脳疲労がたまる人が増えていると考えられます。

脳の疲れをとるためには、月並みですが、栄養バランスの整った食事が脳にとっても一番いいのですが、脳はほかの臓器とは異なり、様々な栄養のうちエネルギー源として利用できるのはブドウ糖だけです。脳がつかれているときに甘いものを食べたくなるのはこれが理由です。だからと言って甘いものを過剰に摂取するのは血糖値の乱高下が起きるのでNGです。

脳の疲労を回復する食材は、玄米、ほうれん草、ゴボウ、山芋、セロリ、大豆製品、カマンベルチーズ、カカオなどです。また、青魚に含まれるDHA、EPAなども脳疲労の回復を促すといわれています。「今日のご飯はなんでもいい」と思うときは脳がつかれている証拠です。食欲の秋、旬の食べ物とともに、脳疲労回復の食材を取り入れた食事にしてはいかがでしょうか。

次に疲れた脳を休ませるために睡眠が重要な役割を果たすのは言うまでもありません。何よりも大切なのは睡眠の質です。良質な睡眠がとれているかを知るポイントは2つあります。1つは、「日中に強い眠気を感じるかどうか」もう一つは「休日の朝にいつもと同じ時間に起きられるかどうか」です。私たちは1日の3分の1から4分の1の時間は睡眠に時間を割いています。快適な睡眠を得るために自分の身体に合った寝具を選ぶのもよいと思います。また、室内温度は28℃、湿度は50~60%程度がよいでしょう。そして、寝る前の習慣も重要です。お風呂は基本的に湯船につかりましょう。一度上がった体温が下がるときに眠れば寝つきがよくなります。寝る前のスマホ操作は注意しましょう。自律神経が昼モードとなり、睡眠の質が下がります。寝つきをよくするための寝酒もNG。アルコールの利尿作用や、のどの筋肉のゆるみによるいびきで睡眠が浅くなります。これらに気をつけ、質のいい睡眠をとりましょう。

脳を休息させ、脳を疲れにくくして、心身の健康を維持していきましょう。