外来だより

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外来だより 2011年 6月号

3ヶ月前の東北関東大震災直後、テレビでは企業がコマーシャルを自粛する中、連日ACジャパンのCMが流され、多くの方が目や耳にしたのではないでしょうか。その中のひとつに金子みすずの『こだまでしょうか』という詩が紹介され、注目を集めています。
『遊ぼう』っていうと/『遊ぼう』って言う。/『馬鹿』っていうと/『馬鹿』っていう。/『もう遊ばない』っていうと/『もう遊ばない』っていう。/そうして、あとで/さみしくなって/『ごめんね』っていうと/『ごめんね』っていう。/こだまでしょうか、/いいえ誰でも
すっかり暗唱してまった方もいるかもしれないくらい、お馴染になったあの詩です。
この詩は人と人とのやさしい会話のきっかけになる事を願って選ばれたそうです。たった一言で人は傷つく。たった一言で人は微笑む。自分が優しく話しかければ、きっと相手も穏やかに返してくれる。言葉は人から人へ『こだま』します。なるほど。。
私が初めて金子みすずの詩と出合ったのは中学生の頃です。担任の先生に勧められたのがきっかけでした。先生が紹介してくださった金子みすずの詩集には上野紀子の挿絵が入っており、その絵がとても詩に合ってキレイなものだったので、何度も読み返したのを覚えています。
その頃私が好きだったのは『おさかな』と言う詩です。金子みすずの全てのものに対する優しさが伝わってくる作品です。
その他にもみすずの清らかで澄んだ目を通して書かれた作品は、26歳の若さで亡くなるまでの間に九十編ほどになります。そのどれもが今も色褪せることなく、私たちに優しく語りかけてくるのです。どの作品もみすずの優しさや、愛情に溢れたものばかりです。

梅雨イメージ梅雨で雨が続くと気分も落ち込みがちになります。そんな時は雨音を聞きながら金子みすずの詩を読んでみませんか?

一度読んだことのある方も時間が経って読み返してみるとまた違った発見や、感じ方も変わり楽しいかもしれません。きっとほっこりやさしい気持ちにしてくれます。

(N.M)

2011年6月1日