外来だより

外来だより 2014年 7月号

2014年07月01日

蝉の大合唱に夏の訪れを感じ、涼しげな風鈴の音が聞こえる季節となりました。

7月になり子供達は夏休みが始まります。大人も子供も外出する機会も増え、強い日差しにさらされる事も多くなってきます。

私の家族も昨年は子供たちとプールに行き、案の定日焼けをし、シミが残ったままです。

紫外線の影響による皮膚ガンも日本では増えつつあるので日焼け止めを塗り、日傘をさす等、日頃から日焼けの予防は行いたいものです。

そんな中、紫外線による肌の影響を気にされる方は多いと思いますが、目の影響まで気にされる方は少ないのではないでしょうか?紫外線は肌では日焼けをすることは有名ですが、角膜(黒目)や結膜(白目)は強い紫外線を浴びることで細胞が傷つき炎症を起こします。強い日差しを長時間浴びた後に、目がゴロゴロする、目が痛い、充血するなどの症状がある場合は、紫外線による炎症の可能性があります。ひどくなると「急性角膜炎」を起こすこともあります。

他には白目と黒目の境界が紫外線で傷つき白目の細胞が異常に増えてしまう「翼状片」や、今日本でも増えている「黄斑変性症」や「白内障」の発症や進行にも影響していると言われています。日常生活で通勤・通学や買い物などで紫外線を浴びる分には、骨を丈夫にするビタミンDを作るために必要ではあります。ですが、先ほどの病気のように目にとって紫外線は良い影響を与えることはありません。

では、目での紫外線予防策としてどうしたらよいかと言うと一番はサングラスです。ただサングラスもかければ良いというものでもなく、間違えると逆効果になる場合もあるので選び方が大切です。意外ではありますが、サングラスの色の濃さと紫外線を防ぐ力は別物です。色の濃いサングラスをかけると目の前は暗くなり瞳孔が開きます。開くことで多くの紫外線が目の中に入ってしまうことになってしまうのです。

これからサングラスを選ぶ際には「UVカット」とあるもので「紫外線透過率」が少ないもの、紫外線は上下左右と色々な方向から入って来るのでフレームがきちんと顔にフィットしたもの、そして色の薄いものを選ぶようにしましょう。

目の病気によってはできるだけ紫外線を防いだ方がよいものもあるので心配な方は先生や最寄りのスタッフに相談してみてください。

今年の夏は肌と一緒に目にも日焼け予防をさせてみてはいかがでしょうか。

(k.T)