お知らせ

外来だより 2023年 4月号

2023年04月01日

 日ごとに春の暖かさが増し、日中はコートなしでも汗ばむほどの陽気を感じられる気候となって来ました。今年は桜の開花も早く、あっという間に見ごろを過ぎてしまいそうですね。まだこれから咲き始める花も沢山あるので、お出かけの際には是非、目を向けてみてください。 

 さて、これからは穏やかな気候で過ごしやすい季節ではあるものの実は体調不良を訴える方も少なくありません。この時期は、気温の寒暖差や自律神経の乱れ、また生活環境の変化からストレスを感じやすく、疲労が発生し、体調不良の原因になっているようです。

 この疲労についてですが、メカニズムが異なる急性疲労と慢性疲労があるのをご存じでしょうか。一晩しっかりと睡眠をとれば回復するものを急性疲労といい、疲労感が持続するものを慢性疲労といいます。私たちの脳には疲労やストレスにさらされた時に脳の機能を維持するためのアクセルとブレーキの働きがあります。急性疲労はこの2つのシステムがバランスを取って脳を働かせている状態と考えられますが強い疲労やストレスに継続的にさらされるとアクセルとブレーキの両方が過度に働いて慢性疲労につながる可能性があります。また疲労感は私たちに働きすぎを知らせる警報のようなものですが、慢性疲労の人では、疲労のきっかけに触れるだけで、実際には疲労を感じていなくても思い疲労感が発生することもあるようです

脳のアクセルとブレーキが過剰に働くのを防ぐためには、体内で起こる疲労をできるだけ早い段階で抑え、回復を促す事が重要です。

まずは抗疲労に役立つ食品成分を摂取すること。抗疲労に役立つ食品成分としては、リンゴポリフェノール、茶カテキン、鶏むね肉やマグロ、カツオに多く含まれるイミダペプチドがあげられます。また、エネルギー産生を助ける食品成分としては、イワシや牛肉などに含まれるコエンザイムQ10、ビタミンB群があります。これらの食品を日々の食事に取り入れてバランスよく接種することが大事です。また、食事のとり方の工夫も大切で、規則正しい時間に食事をとることは体のリズムを整えてくれます。そして、家族や友人、恋人など親しい人と食事をとることは、疲労感やストレスが軽減でき、翌朝の疲労感や体調の不調が少なくなるともいわれています。疲労回復には楽しい食事が一番のようです。

疲労のメカニズムを知り、疲労を回復し、元気に新しい年度をスタートさせましょう。