お知らせ

外来だより 2023年 11月号

2023年11月01日

 落ち葉が散りゆく今日この頃、めっきり寒くなり、歴の上でいよいよ立冬を迎えました。皆さま体調お変わりありませんでしょうか。今年も残すところあと1ヶ月。忙しい12月を迎える前にしっかりと体調管理をしておきましょうね。

 さて、秋といえば食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋とたくさんの「秋」があります。何かを始めるにはいい季節です。ただ、食欲の秋。美味しいものが沢山あるこの季節、食べすぎには注意が必要です。食べすぎだから病気になる。と、いうことでは決して、ありませんが現代人の食事スタイルは、血糖を上げやすい加工食品を多く摂取することにより、肥満を引き起こすといわれています。肥満によって心疾患、脳卒中、二型糖尿病、がんなどのリスクが高まります。その中でも、眼に関わってくる糖尿病。11月は糖尿病予防月間ということをご存知ですか?糖尿病は悪化すると、とんでもない病気へと進化する怖い病気です。そんな「糖尿病」という病気を知ってもらうために11月14日は世界糖尿病デーとして啓発活動を行っています。

 糖尿病とは、遺伝的な体質に過食、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣や加齢といった原因が加わり発症するとされています。初期には自覚症状がないのがほとんどで、早期発見し、治療や運動で、できる限り正常な血糖値をコントロールすることで、一般の人と変わらない生活を送ることができるといわれています。しかし、糖尿病を放置し進行してしまうと、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害という糖尿病の「三大合併症」と呼ばれる合併症を引き起こします。中でも糖尿病網膜症。「糖尿病で失明だなんて・・・」と思われる方も多いかと思いますが、糖尿病のために光を失う人は毎年3000人以上と多く、日本人の失明原因の第3位となっています。糖尿病網膜症は、末期まで視力は1.0です。自覚症状はなく、痛みもありません。一度発症すると治ることもありません。点眼などのお薬もなく、すべては血糖のコントロール。進行を止めることはできませんが、緩やかにすることはできます。毎日の診療で、糖尿病の治療を自己判断で行っている方もいます。糖尿病は勉強すれば改善できる病気です。自己判断での治療は危険ですので、内科への受診を行い適切な治療で一生を健やかにすごしましょう。