お知らせ
外来だより 2024年 6月号
2024年06月01日
6月には紫陽花、花菖蒲など、しっとりと花を楽しめます。早いもので一年の半分が過ぎようとしています。6月といえば、梅雨。雨の多いイメージですが、日本では6月のまたの呼び名を水無月(みなづき)といいます。水の無い月と書き、この時期にはなかなか考え難い呼び方ではありますが、決して、水が無い訳ではありません。6月は雨天の日が多く、昔から、農業に携わる方々には梅雨の雨は切っても切り離せない大事なもの。鬱陶しい梅雨も穀物にとっては大切な恵みの雨と言えます。
さて、気温が上がり湿度が高くなるこれからの季節、細菌による食中毒の起こりやすい時期です。夏季にはO-157やサルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌などの細菌によるものは重い症状を引き起こすこともあり、抵抗力の弱い子供や妊婦、高齢者の方は特に気を付けなければなりません。食べ物を介して体内に侵入してくるため、1人1人が食品の特徴を良く理解し、予防対策を行うことが大事です。食中毒を防ぐためには原因となる細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」と3原則が基本ですが、中でも「つけない」ことが安全な食卓を守る大きな最初の一歩です。細菌やウィルスはどこに潜んでいるかわかりません。調理する際、食事をする際、必ずせっけんで手洗いをすることが大切です。手洗いのポイントとしては、①洗う前に時計や指輪をはずす②爪を短くする③せっけんはよく泡立てて使う④汚れが残りやすい箇所は意識して洗う。などです。また細菌を食品に「つけない」を確実に実行するためには、調理者はもちろんの事、調理器具、調理環境などの調理場全体が細菌に汚染されないことが極めて重要になります。生の肉や魚になどを切ったまな板などの器具から生野菜などへ付着しないように、使用都度、きれいに洗い、できれば殺菌しましょう。加熱しないで食べるものを先に取り扱うのも1つの方法です。焼き肉の際は生の肉と焼けた肉をつかむ箸は別の物にしましょう。食品の保管の際にも他の食品についた細菌が付着しないよう、密封容器に入れたり、ラップをかけてから、低温で保存することが重要です。食中毒予防の第一歩、まずは「つけない」事に気を付けて、安心安全に食を楽しみましょう。 これから梅雨を経て暑さが徐々に厳しくなっていきます。食中毒に加え、はやり目やプール熱、ヘルパンギーナ、手足口病などの感染症や熱中症も増えて来る時期です。暑い日には水分摂取と暑さ対策をしっかり行い、お出かけの際にはこまめに手洗いを心がけ、体調管理には十分気を付け、暑い夏に負けない体力づくりを心がけましょう。