お知らせ

外来だより 2025年 7月号

2025年07月01日

不安定な天候は続きますが、これから梅雨があけ、いよいよ本格的な夏の暑さがやってきます。生活するうえで気を付けたいのが「熱中症」です。

今年6月1日より職場における熱中症対策が義務化されました。企業が対策を怠ると罰則があるため、対象となる作業をおこなう企業は必ず対応しなければなりません。対象となる作業はWEGT(暑さ指数)28度以上または気温31度以上の環境で連続1時間以上または1日に4時間以上の実施が見込まれる作業です。義務化の対象となりそうな業種としては、建設業や警備業などの屋外作業だけでなく、工場や倉庫での作業を中心とする業種も場合によっては対象となるでしょう。そのほかにも外回りが多い営業職なども、気温31度を超える日に1時間以上歩く場合は対象となります。意外と幅広く、事業者は作業内容が該当しないか確認することも大事です。熱中症対策が義務化される背景としては、地球温暖化の影響により、近年の異常な暑さと熱中症の発生が急増していることがあげられます。また熱中症による死傷者数も増えていることも理由の一つです。体温が高くなったり意識がもうろうとしたりといった熱中症の初期症状が見られても「大丈夫だろう」と自己判断したり、周囲が異常に気が付いても対応が遅れたりすることが重症化を招いています。この状況を改善し、熱中症の早期発見や重篤化を防ぐため、労働安全衛生規則が見直されることになりました。

 ただ最終的には、自分の身を守るのは自分自身です。職場内にかかわらず、いつでもどこでも条件次第で熱中症にかかる危険性はだれにもあります。熱中症は個人個人が正しい予防方法をしり、普段から気を付ける事で重篤化を防ぐことができます。

 対策としてまず大事なのは、日ごろから、栄養をしっかり摂り、休息をしっかり摂ることで丈夫な身体作りをすること。また意識して、今自分がいる環境の気温や湿度を気にするようにすることです。置かれた環境が理解できると、屋内でもエアコンで室温を調節したり、出かける際の衣服の調整、日傘や帽子、持ち歩く水筒や塩分、暑さ対策グッズの準備が自ずとできてくると思います。

買い物に行くと暑さ対策グッズコーナーが必ずあります。日傘や接触冷感の衣類や寝具も年々改良されて、より軽く、薄く、ひんやりを追求した商品が続々と売り出されています。日傘は体熱を-4℃下げる効果のものから、衣類や寝具は-10℃~-28℃効果のものも。日々の活動に+αひんやりグッズを取り入れて暑い夏を元気に乗り切りましょう。