お知らせ

外来だより 2025年 10月号

2025年10月01日

まだまだ暑い日もありますが、日増しに秋の気配が色濃くなってきました。お祭りやイベントの多い時期ではありますが、夏の暑さが和らぎ、集中しやすいこれからの季節、ゆっくりと時間の持てる日には、気分を変え、本を一冊読まれてはいかがでしょうか。

「読書の秋」とは、よく言われます。「読書の秋」の由来は、中国の唐時代の韓愈(かんゆ)という詩人が読んだ漢詩が元になっているそうです。「燈火(とうか)親しむべし」という言葉がやがて日本に伝わり、「秋の夜は灯りをともして読書をするのにふさわしい」というイメージになったと言われています。

また今月は読書週間がありますが、単に「読書の秋」だからというわけではなく、1947年(昭和22年)、まだ戦火の傷痕が残る中で「読書の力で平和な文化国家を作ろう」と、出版社、取次会社、書店と公共図書館、そしてマスコミ機関も加わって第1回「読書週間」が開催され、反響が素晴らしかったことから、全国に広がったそうです。

「読書週間」の定着で、一時期は、世界でも有数の、本をよく読む国民の国と称されていた日本ですが、最近では、若者の本離れや活字離れが叫ばれています。2024年に文化庁が公表した世論調査で、「読書量が減った」は70%。「1か月に本を1冊も読まない」が60%を超えていたそうです。読書量が減った原因としては、「携帯電話、スマートフォンなどで時間が取られる」が43.6%とトップ。ついで「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない。」(38.9%)「視力など健康上の理由」(31.2%)「テレビの方が魅力的である」(19.8%)などの理由でした。読書をしないと語彙力の低下、思考力の低下、情報収集力の低下、コミュニケーション能力の低下、そしてストレス耐性の低下などが懸念されます。また知識の幅が狭まり、新しい事を学ぶ意欲が低下する可能性もあります。読書がもたらす効果として、知識がつく、語彙力が豊かになる、コミュニケーション力が向上する。読書は脳の活性化に良いことずくめです。また、適切な環境やタイミングで読書を楽しむ事で、ストレスの軽減や睡眠の質の向上などリラックス効果を得ることが出来、様々なメリットがある事がわかりました。 この秋、毎日少しずつ読書時間を待つようにしてみませんか。久々の1冊は興味のあるジャンルから短いものが良いかもしれません。活字に抵抗のある方は漫画やオーディオブックから始めるのも良いそうです。図書館や書店へ素敵な1冊を探しに出かけてみて下さい。