外来だより

外来だより 2016年 11月号

2016年12月15日

朝夕は肌寒いですが、みなさんいかがお過ごしですか?
10月21日金曜日、午後2時7分頃、鳥取県中部で最大震度6弱の地震がありました。住宅被害やけが人が多数でました。今年4月に発生した熊本地震の時のことを思い出した方も多いのではないでしょうか。  ここ別府でも住宅被害にあったり、けがをした方、近くの学校に避難をした方が多くいました。実際こちらの患者さんのなかにも「家が壊れたけん診察にこれんかったんや。」「地震でけがをしてしばらく入院していた。」など、いろんな声を聞きました。毎日続いた揺れで、精神的に弱ったという患者さんもいらっしゃいました。また同じような災害に遭遇するかもしれないと思うと、なかなか寝付けない日もあります。
そんな中テレビを見ていると「次このような地震が起きた時に、眼鏡がないと子どもを助けることができない。そのためにレーシックをうけた。」という人がいました。レーシックとはレーザーを角膜に照射し、屈折力を調整することで視力を矯正するという手術です。裸眼で物をみることを目的とした手術なので、うまくいけば眼鏡やコンタクトレンズから開放されるというメリットがあります。ただし、個人差もあるので十分に矯正できないこともありますし、術後に角膜が変形し、視力低下を及ぼしてしまうこともあります。また正確な眼圧が測定できず、緑内障の発見が遅れる事も危惧され、さらには将来的白内障手術をする場合、眼内レンズの度数を正確に測定することができなくなるので、デメリットも多々あります。裸眼で不自由なければ便利ではあるかもしれませんが、リスクを伴うことも十分ご理解ください。
いろいろな考え方があると思いますが、突然の災害に備えて、まずは眼鏡やコンタクトレンズなどの予備をいつも準備しておいたり、工夫できることがあればそちらをお勧めします。
どんな手術もそうですが、手術を受ける前には、メリットデメリットをしっかりご理解頂くことが大切です。
(A.H)

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