外来だより

外来だより 2017年 1月号

2017年01月12日

明けましておめでとうございます。みなさまにはお健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 

昨年は国内ではさまざまな出来事がありました。一番深刻だったのが四月十四日、十六日に引き続いた熊本地震でした。当院の患者さんにも被害が及び、中には深刻な状況に陥った方もいました。その被害はいまだに引きずっており、今後の早い完全復旧が望まれます。

米国の大統領選も終わり、泡沫候補のドナルド・トランプ氏が次期大統領となることが決まりました。しかし、白人の恨み辛み、本音が出てきたようで、世界のグロバーバル化に逆らうような現象が世界中に見られることを考えると、我が国もうかうかしていられなかもしれません。注意深く見守りたいと思います。

高額療養費制度が見直しになり、今年の八月から外来の窓口で支払う毎月の限度額を、現行の一万二千円から一万八千円に引き上げられます。これは高齢化による社会保障費の自然増を約一四〇〇億円分抑制する目的です。また、現役世代の保険料の負担も増します。今後は日本も米国並みに不要な医療は行わない方向に向かうでしょうし、健康保険による薬や診療も一定の歯止めがかかってくることが予想されます。

今日、日本においては昭和三十六年に誕生した国民皆保険によって、世界に誇るべき医療制度を築きあげました。しかしながら、昨今の高齢者にかかる医療費や高額な新薬の登場による医療費圧迫の懸念、高度医療による高額な治療など、今後のこの国の財政においても目が離せません。皆様方におきましても、不要不急の診察や不要な投薬をなくすようご協力をお願いする次第です。また、当院も後発品(ジェネリック医薬品)を採用しつつありますが、その製品の安全性や情報量の不足、さらには先発品との品質の差など、まだまだ納得できない点があります。ちなみに点眼薬については、同じ抗生剤でも、点眼瓶の中に入っている防腐剤や緩衝剤など、みんなてんでばらばらです。中には市販薬と同じように「さし心地をよくする薬物」がはいっているものもあります。製薬会社は「しね~と」そんな物まで入れています。安かろう、悪かろう、副作用、後遺症とならぬよう鋭意選択していきます。

今年も患者さんの満足度の高い眼科医療機関を目指して職員一同努力する次第です。

新年が皆様にとりまして、希望に満ちた明るい年になりますことをご祈念申し上げ、年頭のごあいさつといたします。
(M・M)

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