外来だより

外来だより 2022年 8月号

2022年08月01日

8月に入り、ひときわ厳しい日差しが照りつけておりますが、皆様変わらずお健やかにお過ごしの事と存じます。蒸し暑く、寝苦しい夜も早く峠を越えてくれないかと願う毎日です。

さて、ウィルスの進化は止まることなくコロナとの闘いが続く夏、今年はインフルエンザの流行が拡大しつつあり、複合感染対策をしていかなければならなくなりました。マスク緩和の動きもある中で、なかなかそうもいかないのが現実です。当院においても、外来、入院患者さんへの安全な医療を行っていくため、各自の食事以外はマスク生活の毎日です。仕事以外にも外出時、手放せなくなったマスク。長時間つけていることで、肌トラブルの悩みは尽きないようです。

このマスクによる肌トラブル、そもそもの1番の原因は摩擦です。着脱する際やずれたマスクを直す際、話をしていてマスクが動く事で摩擦が起きます。摩擦による刺激で肌が防御反応を起こし角層が厚くなります。すると毛穴がふさがり皮脂が詰まり、ニキビが出来やすくなります。また乾燥肌やアトピー性皮膚炎の人は、もともと肌のバリア機能が低下しているのに保湿成分がマスクについてしまい、その上、摩擦による刺激が加わり皮膚炎を起こしやすくなります。さらに暑い夏のマスク内は高温多湿で雑菌が繁殖しやすい環境である為、ニキビや肌荒れを悪化させやすくなります。

この肌トラブルを予防するには、摩擦に関しては、マスク選び。不織布マスクの内側に折り返し部分やトゲトゲした部分が当たらない、柔らかい素材の物を選びましょう。マスク内に空間のある形の物や、通気性がよいマスクも続々と登場しているので、マスク内の摩擦が少なく効果的です。色々試してみてはいかがでしょうか。また特にマスクの触れる部分には、いつも以上に保湿クリームをしっかり塗ることも大切です。こすれることで保湿成分が取れるのを防ぎ、摩擦による刺激を軽減できるそうです.

一方、この時期の、汗や蒸れに対しては、こまめに拭いたり、洗ったりすることが一番の対策になります。濡らしてしっかり絞ったハンカチで、汗や唾液を吸い取るように拭くことがポイントです。汗には水分の他ミネラル分も含まれていますが、これが肌荒れ悪化の原因に。乾いたハンカチだと汗に含まれるミネラル分までは、拭きとれないそうです。帰宅後マスクを外したら、すぐに洗顔で汚れを落とすようにしましょう。夏のマスク肌トラブル対策の要は肌の汚れをしっかり落とす事にあります。なるべくトラブルを起こさないようにしっかり対策をしていきましょう。

暑さももう少しできっと和らぎます。人との距離の取れる場所では細目にマスク休憩を取りながら、暑い夏を乗り切りましょう。

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